2020年01月01日

2020年のテーマ

今年のテーマを元日に、ブログで公開したいと思います。具体的な方針は社内秘的という考えもあるが、割と具体的な方針ではあるものの、弊社は社外的にもオープンにして、自分たちを追い込みたいと思います。
 
極力バックグランドはここには書きません。結論と方針だけを記述したいと思います。
 

消費しない価値作り

私たちの仕事は、モノとお金のやり取りをしているわけではありません。価値を売っています。価値は人を惹きつける引力だと思います。これには消費型と積上げ型があると思っている。
 

消費型価値

消費型は、ざっくり言うと「単純で分かりやすい、真似しやすい価値」。理解のハードルが低いので人から人へと伝播しやすく、真似しやすいので同質店も増えやすい。そして大きなムーブメントになる。そういう価値。昨年で言えばタピオカ専門店だと思います。
 
違う例として、一発屋と呼ばれる方々のギャグでしょうか。分かりやすいので瞬間的に流行し、真似しやすさがそれを後押しする。
 
でも、その奥に哲学や考え抜かれたシステムがなければ、あっというまに消費され、翌年には「懐かしい」とか「寒い」とか言われてしまう。ポップコーン専門店みたいに。
 
おそらく、このメカニズムは「思い入れ・愛着を持って手に取る人」が少ないからだと思います。世間の潮流に押され、大した思い入れ・愛着も持ってなくても、簡単に手には入れられる。でも、手に入れてしまえばそれで終わり。愛着がないので満足感は継続せず、手に入れた瞬間に価値も消費される。
 
もちろん、最初はブームに乗っかって手に取った人でも、本当のファンになることがある。しかし、ファンになって気づきます。本当に哲学を持って提供しているお店や芸人が少ないことに。
 
言い方を換えると、大多数の人が消費し離脱するなか、一部のファンが残ったときに、提供側はそれに応えないといけない。でも、提供側に理念がないので、サービスを広げたり深めたりすることができず、期待に応えられず淘汰される。これが消費される価値の構造の本質ではないだろうか。
 

積上げ型価値

積上げ型の価値というのは、ざっくり言うと、深い理解に裏づけされた理念を少しだけ「崩した」て発露された価値。理解を深めた上で生まれた「こんなものがあったら」「●●はこうあるべきだ」という理念が出発点となり、デザインやサービス内容を決定までの間に、深い試行錯誤(プロセス)を経た価値。説得力がある価値。
 
こうしたプロセスを詰めれば詰めるほど、万人受けしなくなります。深い理念は、分かってしまえば説得力を持つが、パッと見では難解に見えるので、伝播しにくい。
 
人を惹きつけないと価値とはいえないので、分かりやすさも必要となる。そのために、時代の流行を汲んだ「崩し」を少しだけしてあげる。理念があるから応用もできるので、時代によって崩し方を変える。根っこの理念は変わらない。この崩しが毎年毎年更新されるので、価値は消費されず積みあがり広がりをもたらす。
 
しっかりと価値を作ってきた提供側も、その分、価値に愛着を感じます。その愛着はお客様への説明に熱意をもたらします。その熱意がお客様に伝わったとき、お客様もその価値に愛着を持ってくれるので、価値は消費されません。
 

しっかり価値作りをしたほうがコスパ良

消費型価値は、伝播が早く大ブーム&高収益にはなるが、やがて価格競争や過剰なサービス競争になり、最後は無価値になる。積上げ型価値は、伝播が遅く大ブームにこそならないが、毎年毎年ノウハウが積みあがり、価値が上がる。
 
一気に他店舗展開を狙う企業や時代ごとに業態ごと変える会社は、消費型価値の店舗展開でもいいでしょう。一気に収益を得て、その間に次の流行を作る。そういうあり方。一方、中小企業が進むべきなのは、価値の積上げではないだろうか。次々と新しい価値を作るほど人員的・資金的にも潤沢じゃないからです。ひとつの理念を作るのは、ブームに乗るよりも大変に見えますが、10年単位で見たら、圧倒的にそちらのほうがコスパが良い。
 

美意識を持つ

少々複雑なプロセスを経る積上型価値のウィークポイントを補うために、パッと見も重要です。そのためには、スタッフ全員が美意識を持つことが必要です。服装、髪型、ペーパーのデザイン、小物の置き方、美容、写真の構図、お客様プレゼント。すべてに対して、自分の美意識が反映できているかを確認してほしいです。まずは意識を持つことが価値への第一歩なので、美意識を持ちましょう。
 
美意識を持つコツは「自分なりの理由(ストーリー)」を持つこと。この髪型をしているストーリー、この服装をしているストーリー、トイレにこの置物を置いているストーリー。なんでもいいです。それがないものは美意識がない。
 
最低限のマナーはもちろん必要ですが、それだけでは十分ではない。人に指摘されたときに自分の意見をしっかり言えるようにしてほしい。美に関することに関して、すべて意識を持つことが重要です。
 

当事者意識を持つ

当事者意識というのは、自分を相手の立場に立てて考えること。簡単な例だと、お客様の立場に立つ。業種が違うスタッフの立場に立つ。他店の立場に立つ。これはとても重要です。自分の立場からだけで価値を作ろうとすると、広がりません。
 
人は自分がどんどんその道にどっぷり浸かってしまっていることに気づきません。毎日仕事をしているわけですから、染まってしまうのも仕方ありません。でも、内向きな考えは発想を硬直化させます。価値を積上げないといけないのに、新価値を作る発想が出なくなってしまいます。新価値を作れなければ価格競争に陥ってしまいます。
 
相手の立場に立つと、景色はぜんぜん違って見えます。そこから得た発想から新しい価値が生まれ、今の仕事の仕方との摩擦を勘案しながら試行錯誤して、価値が積みあがります。
 
また、当事者意識を持つとお客様サービスが向上したり、社内の問題解決のスピードアップ・レスポンスアップをしたりと、様々な副産物を生みます。「このお客様は●●さん担当だから」「この件は●●店」「私は関係ない」というスタッフが、お客様にとって一番嫌悪を感じるスタッフです。また、ひとつの店舗で発生している問題解決に対して様々なアイディアが集まれば、解決に近づきやすい。良いことしかありません。
 

2020年のテーマ

積上げ型価値を作るために、美意識・当事者意識を高める。これが2020年のテーマです。ただ、実は2016年からこれには取り組んできました。NESTです。あれは、美意識を高く持ってスタートアップし、お客様の立場に立って運営してきた店舗です。
 
最初はこれで成り立つのか?お客様に伝わるのか?それが不安でした。なぜなら、コンセプトが従来の結婚式とは大きく異なる「デ・コンストラクション(脱構築)」タイプで、少々難解(参考:3年前のブログ)だったからです。しかしそんな不安も、現場のスタッフの努力が吹き飛ばし、新しい価値を作ってくれました。
 
お客様のアイディアを集積できましたし、スタッフもそれを叶えるために相当鍛えられました。お客様の要望の中には、摩擦がとても強いものもあれば、思っていたより少ないものもあり、今調整していますが、価値が積み重なる典型店が作れたと思います。
 
斜陽産業(人口・実施率減)
一過性(リピートなし)
同質化(みんなと同じが安心)
 
と言われるブライダル業界であっても、積上げ型ができた。理念に昇華できたという手ごたえをようやく感じることができたので、今後はこれを写真館にも応用して、展開していこうと思います。