相手に注意する際に

部下や同僚がミスをしたときに
注意をしないといけない。
 
このとき大切なのが
注意の「仕方・方法」だ。
 
内容ではない、ということが肝で
どんなに正しい事を言っても
方法論を間違えると
正しい事を言っている人間が
受け手に「悪」にされてしまいかねないのだ。
 
〇怒られることへの耐性が弱い相手に注意=パワハラと感じられやすい?
〇モラル意識が弱い相手に注意=モラハラと感じられやすい?
など、受け手の性質によってリスクも上下するのだから
「正しい」と思うことを発言するのにも、
相手との関係や状況を勘案した
適切な方法をとらなければトラブルに発展する。
 
特に
〇 電話やメール、インカムで
〇 丁寧な言葉を使っているが
〇 どこかイラついた印象を与える感じ

 
で注意したときは
かなりの高確率でトラブルになる。
 

顔が見えない「メール・SNS・電話・インカム」は危険

電話やインカム、メールやSNSで
物事を伝えている「瞬間」は、送り手の感情の高低の判断が
受け手の想像・妄想に大きく委ねられる。
 
ラインなどでもよくありませんか?
そんなつもりもないのに「冷たくされた」など
受け手の被害妄想が膨らむことがある。
 
人間は表情や意味のない飾りの言葉、
会話をしているときのリズムなどから
相手の感情を読み取るものだが、
それが十分にできない電話・メール・インカムは
受け手任せの通信手段でもある。
 
ましてや相手に注意をするなど
かなり難しい。

 

丁寧さが仇(あだ)となることも

これは本当に矛盾をはらんでいることだが
丁寧に注意・クレームすると
受け手は余計に「恐怖」を感じることがある。
ましてや、顔の見えない通信手段で
とても丁寧な言葉遣いではあるが、内容は厳しいとなると
受け手は「この人は何を考えているか分からない」と混乱し
恐怖を煽るのだ。
 
注意しているほうとしては
「キツイ言葉を遣わないようにしよう」と配慮したことが
逆に仇(あだ)となることもある。
 
誤解を恐れず言うならば
相手からも反論されて
売り言葉に買い言葉の喧嘩状態のほうが
後に残らないことさえある。
 
一方的に注意して(まぁミスを注意するから一方的にはなる)
しかも隙のない丁寧な感じは
恐怖があるので、後に残る(トラブルになる)。
 
要は丁寧さは大切ではあるが
それはトラブル回避の必要条件に過ぎず
十分条件(それさえやってりゃトラブルにならない)ではない。

 

どこかイラついた印象を与えてしまう

これは仕方がない。
真剣に物事や仕事に臨んでいる人からしたら
ミスをした相手に注意したいし
「なぜこんなことを!」と憤りを感じることは
仕方がないし、真剣さの裏返しでもある。
 
もちろん我慢や配慮は必要だが「こぼれてしまう感情」を
100%抑えることなど人間には無理だと思う。

 

解決策は「注意した後、対面で話し合う」こと。

上記のような方法で
相手を注意したときは
必ず、最速の方法で相手に直接会って話し合いをする。
自分の冷静さに自信がない場合は
上司など第三者に同席してもらう。
 
ここで大切なことは
受け手に送り手の人間性を知らせることが
トラブル回避の特効薬であること。
したがって人間性があまり出ない
ミーティングなどのオフィシャルな場で
話し合いをしても効果が薄い。
個室で1対1が理想ではある。
 
それで話し合いをすれば
膨張した被害妄想も恐怖も和らぐことが多い。
 
トラブルに発展する人は
そのへんの「ケア」が不足しているだけ。
 
注意する側が注意される側より
多くのケアが必要だなんて
おかしなものかもしれないが
そういうものです。
 
いくら言葉に配慮しても
トラブルをお越しやすい方は
これ以上、言葉のチョイスを工夫しても
効果は上がらないのでやめておきましょう。
 
対面でしっかり話をするクセをつければ
意外と解決するのでお試しいただきたい。

 

<補足>
以下の場合は特に気をつけてほしい
〇 上司から部下(同僚間よりも誤解されやすい)
〇 クライアントから取引先(社内よりも誤解されやすい)
〇 美人・イケメンの方が注意するとき(一般論です)
〇 やたら高学歴の方が注意するとき(一般論です)
〇 今は丸くなったが過去はキツイ人間で今も語り継がれている方が注意するとき(一般論です)
〇 あまり自分という人間性を表に出さない方が注意するとき(私です)
・・・こういう人は相手がどんな人間かを問わずトラブルになりやすい。
 
人間性よりも「属性」が前に出てしまう人は
人間関係で誤解を生じやすいものです。
 
かわいそうだけど、該当する方は
他者への注意のフローについてケアが必要だという
運命を受け入れていきましょう。
 
そもそも摩擦のない人間関係などない。
やれるだけやればいいのです。