問題意識を置くポイント

ウェディング会場の会議を定期的に実施している。
 
本日もありました。
 
その場でとある会場のとあるリーダーが
 
「先月、うちの会場の成績が悪かったのは、自分のせいです。(想定以上に)ふわっとしたお客様が多く、そういうお客様を取り込めなかった自分の悪い成績がそのまま、会場全体の成績を悪くした。」
という趣旨の発言があった。
 
潔(いさぎよ)い。
 
この発言をしたリーダーは、問題の整理ができている。
彼女は「広告戦略に問題はない。自分の接客に問題がある。」という切り分けを、明確にしたのだ。
前提となる「広告戦略」を疑問視するような、弱い心、ご都合主義の考えとは正反対の、まったく潔い、前向きで未来志向的な考えだと思った。
 
整理すると
 
①現象
ウェディング業界は縮小している。

②大きな対策
今までターゲットにしていなかった層にまで広げて広告しなければならない。

③派生する対策
そうなると今までの接客方法だけでは対応できない。

④対策の効果検証
もちろん自分なりに想定して接客したがそれを上回る、ある種、想定外のお客様に遭遇した。

⑤さらなる改善策を模索する
自分の接客の他の引き出しを増やさないといけないので③に戻る

今ここ
 
という結論なのだ。
 
当たり前なのだが、こうはならない人が多い。
 
⑤で「結婚式を現実的には考えていないお客様だった」「想定外のお客様からご成約をいただけないのは仕方がない」「もともとこの会場に合ってないお客様だったかな?」など、自分に矛先が向かない、自分のスキルに問題意識を持たない人もいる。
 
下手すると、自分の努力不足が原因なのに「前提が間違っているのでは?」という意識だけは芽生える人もいる。そういう人は⑤の段階を経ると②まで戻り、変えようのない前提条件を、都合の良い違う見方がないかと模索するのだ。
 
②は「全体的な」マーケットシュリンクを原因とする対策なので、これは逃れようがないし、我々ではどうしようもない。だから、②の「志向軸で客層を広げる」というのは、現状の式場ではマスト項目なのだ。
 
となると、今までの接客方法や考え方だけでは足りなくなる。提案内容や接客方法の引き出しをどんどん作って、とにかくアイデアを出して、トライアル&エラーを繰り返して、もがかないといけない。
 
これはとっても難しいことだし、たいへんなことなので、誰だって「自分のストライクゾーンのお客様ばかりを接客したい」と思うものかもしれないが、そんなことは現実的じゃない。でも、そっちのほうが楽なので、人は非現実的な妄想に流れがちだが、「自分のせい」と言った彼女は、妄想の世界に逃げなかった。
 
私はそういうときには、もうそれ以上は何も聞きません。くだらないことをダラダラ話す必要はない。
 
だって大丈夫ですから。そういう人は。成績が振るわないことを自分事(じぶんごと)として認識している人材は安心感がある。研修したり、色々トライしていくうちに、復調するでしょう。もともと実力はある。
 
失敗は誰だってある。
失敗は反省して次に活かす。次も失敗するかもしれないが、そしたら次。問題意識を、正しいポイントに据えて挑み続ければ、いつか必ず結実します。
 
私もいつもそんな思いで仕事をしていたので、彼女の発言は「我が意を得たり」で爽快でした。