組織ガバナンスにおける売上目標の意味や位置づけ
どんな会社でも
どんなお店でも
売上目標はあります
当たり前です
お仕事ですから
数字を意識するのは大切
でもこれを経営者や店長が重視しすぎて
「数字で社員を追う」はやってはいけない
数字は「意識する」ものであって「追う」ものではない
経営者や店長は数字を追わないといけませんが
店頭でお客様に接する社員さんまで追ってはいけません
そのために経営者や店長が存在するわけですから
「数字で社員を追う」お店は徐々に
〇 技術向上やアイディア創造を怠る(商品クオリティが下がる)
〇 目の前のお客様が見えなくなる(接客クオリティが下がる)
ことがほんとうに多い
不思議ですよね
普通に考えれば
数字を追う=商品・接客クオリティを向上させないと!
となるのですが
人間は数字を追いすぎると「数字」しか見えなくなっていく
営業トーク・商品構成・予約管理を徹底するのに重きをおきすぎて
その前提となるクオリティ向上の優先順位が下がり
実際は商品が陳腐化してオリジナリティを失っていたり
クオリティが下がっていたりしても看過して
最終的に見えなくなるのです
そしてクオリティが下がっているのにも関わらず
営業行為だけは一生懸命なので
お客様からしたら「は?」というイタいお店になり
リピーターやご紹介のお客様が極端に減る
ほんとうにこのフローに陥ってしまった会社を
たくさん見てきました
数字で社員を追う会社というのは
2~3年は好調になるのです
それを知って「好調な会社は数字で社員を追っている!」と
大きな勘違いをする経営者もいる
物販系、個人主義系の企業ならいざ知らず
我々のような業態で数字で追いすぎた会社は
その後に「商品価値の大幅底上げ」を余儀なくされるのだが
すでに「割高」で売ってしまっていた期間における
お客様の不信感・悪い噂を払拭するには
かなりの年月を費やすことになっています
どの会社もガバナンスに苦労しているのです
数字を追えば上がるというような単純な話ではありません
そもそもお客様の立場に立てば
一番大切なのは「クオリティ」です
お客様はそれに対価を支払っているのですから当たり前です
お店の目標値などお客様にとってはどうでもいいことです
さらに数字でスタッフを追うと
やたらと金銭的見返り(インセンティブ)をほしがったり
個人主義になったり
自分の店主義になったりして
会社全体の利益を考えなくなってきて
ガバナンスも難しくなる
よい例として「直接利益を上げない部署」の
存在の無視・軽視があります
会社ですから全員が営業現場にいるわけではない
その人たちのインセンティブは?ということになると
こうした提案をする人はだまってしまう
さらに、業績好調の店から不調の店への転勤は?
その人にとって不利益だけど。。。
おそらくこれにも答えはもっていない
会社全体が見えていないのだ
そういうガバナンスは
チームプレーである結婚式場や写真館での仕事
少なくとも弊社には不向きかもしれません
一人で完結できるお仕事などひとつもないわけですから
「会社や組織全体」を考えなくてもいい
フリーのカメラマン
フリーのプランナー
フリーの美容師
と言った「個人」を束ねているだけの会社なら
このガバナンスは有効かもしれませんが
創寫舘は写真館も結婚式場も自社社員率が高いし
それをもって顧客満足につなげているので
個人主義的な発想は根付いたことがない
さらに私たちは「物販」ではありません
私たちは感動という形のないものを商品にしています
写真や結婚式はその「物」自体には
さほど対価としての価値はなく
「人の思い入れ」がそこに付加されて
初めて価値を持つようなものを商品としています
「物」そのものに価値がある物販とは大きく異なります
したがって「一般的な営業職」をガバナンスする方法論では
一瞬は売上が上がっても長続きはしません
写真館や結婚式場の中には「物販」的なお店もあります
大量の衣裳、ディズニーとの提携、
超豪華なお城のような宴会場、名駅から好立地、
これらはそれそのものに価値がある「物販」的なものを
強みにしている企業です
それ自体を決して否定はしませんが
弊社はそれではない
一方で売上目標を全然認識していないお店も困りもの
仕事の仕方が「価値作り」ではなく「趣味」みたいになって
非効率な仕事をしだします
ひどい場合は「売れば売るほど赤字の商品」を
売ってたりもしますから数字を意識する必要はあります!
だから売上目標を意識することもとっても大切ですし否定はしません
ようは「バランス感覚をもって」ということで
〇 技術向上やアイディア創造(商品クオリティ)
〇 目の前のお客様に集中(接客クオリティ)
〇 数字に対する「意識」
この3つが絶妙なバランスを保っていることが大切
ひとつを大切にすると他が下がる傾向にあるので
おっとっとっと・・・みたいな感じで
会社やお店をそのときどきでガバナンスする必要があります
そしてそんなバランス感覚に長けたお店こそ
苦しいときもあるかもしれませんが
長く愛されると私は信じて疑わない