うまくいかない人の典型例

反省を含めて、私の周囲の「なにもうまくいかない人」の典型を考えてみました。
 

人の意見を聞かない人~承認欲求が強すぎる人~

「自分のやり方・プランで成功したい」と強く思っている人は、成功しにくい。他人が与えてくれる金言を無視したり、最悪の場合は、あえて逆に走ったりして、独自のやり方を見つけ「俺のやり方で誰かを認めさせたい」とか「褒められたい」とか「尊敬されたい」という思いが強すぎる人は、たいがいダメです。
 
これのひどいケースは、本当に困っている状態でも、まだ、自分のやり方に固執する人ではないでしょうか。まだ、上手くいっているなら、自分の考えに固執してもいいが、困っているのに、過去の成功体験や、単なる妄想にしがみつくのは、それは「単なる聞かん坊」なので、ダメですよね。
 

ダメ出しを取り入れない・ダメ出しに弱い人

ダメ出しは本当に貴重です。たしかに、ダメ出しを聞くのはストレスですが、打開策を見出すためにはダメ出しは大切です。ダメ出しに弱く、すぐに落ち込んでしまったり、ふてくされたり、逆ギレしてしまったりする人は、周りも気を使って、だんだんアドバイスしてくれなくなるので、結果的にアドバイスがもらえる機会が激減し、独善的になって失敗する。
 

チームの力を信用できない人

チームのトップが「自分の考え方と違う考え方の人=できない人」というレッテルを貼り、意見を聞かないことは、チーム全体が持つ発想力を最小化します。チームビルドの妨(さまた)げ以外のなにものでもありません。
 
特に、うまくいっていないときでも、なお考えが違う人を再評価できない“王様的”な上司というのは、「自分のプライドが組織を守ることよりも大切」という考えの下(もと)、信用して意見を聞くはずのチームメンバーをライバル視しているかのように、アイディアの芽を摘みまくって、チームの足を引っ張ることさえあります。
 

複数の多角的意見をバランス良く

たしかに、自分の意見を持つのは大切です。成功例の逆バリに新しい成功例が見出されることもあります。ですから、他人の意見や成功例なら何でも取り入れればいいというわけではありません。困ったことに、聞く必要がないこと、聞いたらかえってピンチになる意見も、存在します。だからこそ、どれが問題解決のための金言なのかを、ちゃんと見定める目を、耳を、心を持って、それらを取捨選択し、それぞれのパーツを成功に向けて繋(つな)ぎ合わせることが大切です。
 
人の意見を取り入れず、自分の意見だけで押し通すことが、私の世代だと「美学」のように捉えられがちだが、そんなことは決して、ない。
 
「独善だけで成功した人もいるじゃないか」と意見もあると思います。ただ、私の見方では、そういう人は、結果的に天才と呼ばれ、結果的にその人の人生や考え方が流布され、賞賛されるが、これは、私は結果オーライなだけ、後付けであって、そういう人の生き様の延長線上に成功があるという帰納法的な考え方は、失敗の素だと思います。
 
成功している人の考え方、周囲の環境、自分がもつ経験や未来への見通し。ものごとは、これらをブレンドして最高の配合になったときに成功に生まれ変わるんだなぁと、痛切に感じております。
 

結局、謙虚さが必要

他人から批判を受けて、自分を見つめ直し再構成して、周囲に理解を求め、トライアルアンドエラー繰り返すことは、メンタル的にもしんどい。
 
逆に、オラオラして自分のやり方を周囲に押し付けたほうが、楽だし承認欲求も満たせるかもしれないが、結果的に独善の沼にはまりこみ、失敗へと進んでしまう。「独善はメンタル的に楽を選んだ結末」であり「独善は失敗の母」だと思います。逆に、謙虚に批判を受け入れることは、実は心がとても強くないとできません。でも、その先に問題解決の光が見えるものだと思います。
 
そもそも、ありがたいじゃないですか。ダメ出ししたり、意見をくれる人って。そんな面倒なことをわざわざしてくれるなんて、自分に対して期待しているからです。人は期待もしていない相手には距離を置くだけ、かかわらないようにするだけです。
 
人に意見してもらったり、ダメ出ししてもらえる人。そういう人に私はなりたい。