2019年12月19日

能力を最大限に生かしてほしい

今日、創寫舘でモデル撮影をしていた。私も少しだけ見学した。
そして、今しがた、全カットを確認した。総じて良かったんじゃないかなぁと思っている。

 

現場ディレクションが基本

私は、モデル撮影のディレクションを、現場の意向にゆだねている。特段、本部に「ディレクション部隊」があるわけではない。写真館に限らず、結婚式場も同じだ。
 
なぜなら、現場というのはお客様と接している、つまりお客様の意向・売れるものを把握しているわけで、それを汲んだ写真を、スタッフなりに考えてディレクションしている。
 

モデル撮影は最高の「トライアルの場」

また、新しい商品、つまり新しいアングルやポージング、小物の使い方を模索する練習の場にもなる。モデル撮影でなくても、スタッフ同士をモデルにして撮り合ったりもできるのだが、ちゃんと衣裳を着て、それなりの手間を掛けた状態で、トライアルすることに意味がある。お客様で練習することはできない。モデル撮影で「いける!」と自信がついた写真が、お客様に提案できる新しい引き出しになるのだ。
 
だから、定番写真を撮影しただけで終わり、みたいなモデル撮影など不要だと思う。定番写真も広告的に必要だから撮影するが、それ以外のトライアルをどれぐらいしているか?を重視している。
 

売れている写真だけではダメ

とはいえ、現場に丸投げで自由に撮れば良い、というわけにもいかない。「これは売れている写真だから」「これは評判がいいから」といった「今の写真」ばかり撮影することがあるからだ。評判がいいのは現在の話であって、未来につながっているわけではない。未来につながる写真というのは、創寫舘を利用しないお客様が好む写真。要するに、客層を広げる、未来のお客様のための写真として、新しい写真に挑戦することが重要だ。
 
これは会社の方向性の話になるので、私は「こういう写真を撮ってほしい」というリクエストを、会議の場などで、はっきりと伝えている。
 

「やりたいこと」と「今後求められること」の区別

新しい方向性を見出すためには「ファクトの確認」が大切だ。私が「こういう写真がかわいいと思う」という私的な意見だけを言っても暗中模索になってしまう。
 
創寫舘をご利用いただいているお客様だけでなく、マーケット全体で求められていることをデータを元に分析してファクト確認をしないといけない。それも調べた上で、各店に撮ってほしい写真を指示している。
 

やらされ仕事は嫌

といっても、やっぱり、フォトグラファーでも美容スタッフでもクリエイター。やらされ仕事は嫌だろうし、物づくりこそこの仕事の醍醐味なので、私が指示を出すのは、モデル撮影のカットの中でも3~4カット。その他の大多数の写真は、現場の意向で決定している。それでいいと思っている。
 
撮った後に文句も言うこともある(笑)でも、悔しい思いをして、反省を次に生かして人は伸びると信じている。最初から指示されたことだけをやっても、体に、心に染み込んでいないので、モデル撮影で得た経験を、お客様に応用することなどできようはずがない。
 

モデル撮影は人材育成の意味もある

上記のように、モデル撮影は広告なので、マーケットのファクトと会社の方向性を加味した、最低限「撮ってほしい」写真はある。しかし、それ以外は、人材育成の場だと思っている。モデル撮影前に苦悩しているスタッフの姿を見て、手を差し伸べ、正解を言いたくなるが、私はその気持ちを抑えている。
 
だって、私の持っている正解=会社の正解にしたくないからだ。そうなったら、私の限界=会社の限界になってしまい、会社としてやっている意味もないし、つまらない。そもそも私の正解など、ふっとばすような若いスタッフの正解も目の当たりにしたことがある。それはとても尊いことだ。
 

外部の協力者にも同じような理念

外部の方にも、あまり細かく指示を出さないことが多い。もちろん、相談されればそれに応じて私の理念を共有もする。しかし、それをあまりし過ぎないというのが私の理念だ。私の方向性を忖度されすぎても、それなら外部の方にお願いする意味がなくなってしまう。自社での解決が難しいから、自分の発想や知識に限界を感じたから外部の方にお願いしているのだから。自由に踏み込んでもらって、しゃしゃり出てもらって、持っている能力を出し切ってほしい。私の理念とぶつかるときに、はじめて話し合って調整する。それでいいのではないだろうか。だからぶつかったときに、相手に対して悪い印象は持たない。むしろ感謝している。踏み込んで、当事者意識をもってやってくださっていること、良かれと思っていろいろ提案してくださることにありがたいと感じている。
 
私は人を見る目に自信がある。会社としてではなく、私個人がアクションしてご協力いただいている外部の方には、全幅の信頼がある。ぶつかる、というか難しいことといったら、経費・採算性・人事といったリアルなことぐらいで、それを提案してもらう根源には「良くしたい」という思いがあることは分かっているので、信頼は揺るがない。
 

能力を最大限に生かしてほしい

モデル撮影を発端に、長々と私の理念を書きましたが、私はいっしょに仕事をする人の能力を最大限に生かしてほしいという思いがとにかく強い。だから、本当にしてほしいことはポイントで伝えるので、あとはやりたいようにやってほしい。調整は後でする。ロスが多いと思われるかもしれないが、クリエイションや人材育成に近道はないと思うので、言葉足らずの私ですが、皆様ご理解くださいませ。